オフライン作業での識別ができていない!!

オフライン作業での識別ができていない!!

今回は、この工場監査で見つかった不具合事例をひとつ取り上げます。

工程やその作業を一つひとつチェックしていったときに、
これはまずいというものがありました。
オフラインの作業で製品の識別が不十分で、混入の危険性があるものがあったのです。

工程の概要は、部品を組み立てる工程と、
それら組み上がった部品を組み立てて最終製品にする工程からなっています。

基本的に流れ作業になっています。
製品の組立工程で、ある機能の検査をするのですが、
検査器の関係でオフラインでの検査となっていました。

その機能検査は、組立途中で一度、組立後にもう一度検査をする必要がありました。
同じ検査であることと検査器を複数台用意できないことから、
同じ検査器で組立途中のものと組立後のものを検査していました。

この検査工程を見たときに、検査待ちしているこの製品は、
組立途中のものか組み上がりのものかどっちなんだろうという疑問がでました。
見た目でぱっと判断できないのです。

つまり、この検査工程での識別が不十分ということです。
まず、製品そのものの表示が不十分で、ラインのどの段階から来た製品かがわかりません。
また、検査が終わったものを置く場所もラインのどこに戻るものかの表示や区別がなく、
一緒に置かれている状況でした。

この工場は中国企業としては、決して管理レベルの低い工場ではありませんが、
イレギュラーな工程(オフラインをイレギュラーな工程と考えて)では、
このような管理不備が起こりますので、
工場監査では見落とすことなくしっかりチェックしてください。

 

出典:オフライン作業での識別ができていない!!


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/