オピオイド薬剤に代わる、新しい鎮痛機器「医療用マイクロニードル」の開発

オピオイド薬剤に代わる、新しい鎮痛機器「医療用マイクロニードル」の開発

近年、アメリカで深刻な社会問題として対策を進める「オピオイド薬剤」。鎮痛剤の目的としてモルヒネや、オキシドコンが医療用麻薬として処方されますが、使い方を誤ると命を落としかねない危険な薬剤です。オピオイド薬剤に代わる新たな鎮痛機器として、「医療用マイクロニードル」が注目されています。テクダイヤは、独自のソリューションで、医療用マイクロニードルのコストダウンと品質向上に貢献しました。

オピオイド薬剤に代わる、新しい鎮痛機器の開発

先に述べたように近年、アメリカで深刻な社会問題として対策を進める「オピオイド薬剤」。米疾病予防管理センターが2016年に発表したデータでは、オピオイド薬剤の過剰摂取による死亡数は、年間4万2,000人以上に上るとされています。代表的なオピオイド薬剤として、モルヒネやオキシドコンが医療用麻薬として処方され、がんの痛みや手術における強い痛みを抑えるための鎮痛剤として使用されています。しかし、神経に作用することで気分の高揚などといった薬物と同じ作用があり、使用法を誤ると身体的にも、精神的にも依存する危険性があります。更には、依存による過剰摂取による過呼吸や心不全での死亡者が後を絶ちません。そこで、オピオイド薬剤に代わる新たな鎮痛機器として、「医療用マイクロニードル」が注目されています。

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「医療用マイクロニードル」のコストダウンと品質向上が急がれる

マイクロニードルの形や用途はさまざまです。今回の開発案件は、患者の頭皮にニードルを固定し、微弱の電流を流すことで鎮痛を促す、医療機器の先端パーツとしてのマイクロニードルでした。医療機器がゆえ、高品質であることはもちろんですが、病院で医療従事者が使用するだけではなく、患者が自宅にて使用することもあります。そのため、素人が頭皮に刺す際の痛みを考慮し、先端は極細であることが必須です。既に流通している製品は、スイスでの製造がシェアを占め、加工費や資材費が非常に高いことが課題でした。

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医療機器に適した材質の採用と、セブ工場での量産によるコスト低減の実現

医療機器は、人体におけるさまざまなリスクを避けるため、材質や品質など厳しい販売認証が必要です。仕様等に変更があると、新たな仕様での認証に時間がかかるため、各社メーカーは仕様変更を嫌います。しかし、今回の開発ではコストダウンと品質向上のため、材質の変更は避けられませんでした。そこでテクダイヤは、医療用のASTM規格(米国試験材料協会)をクリアしているTi-6Al-4V材(64チタン)を採用することで、すばやく認証を得ることができました。また、フィリピンセブ島という安価な量産に適した立地も大きなコストダウンの一因となりました。

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成功の鍵はセブ工場の卓越した金属加工技術と、量産技術

新たな材質として採用したTi-6Al-4V材(64チタン)は、強度や靱性に優れ品質の向上に適していますが、加工性が悪く、精密な加工が難しい素材です。しかし、テクダイヤは創業以来培ってきた、精密機械加工技術で図面以上の精度を実現。さらに、量産技術で市販品としての量産にも対応することができました。

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サンプル評価をクリアし、量産に向けたテストの実施を開始

サンプル評価では低コスト化と、品質向上において良好な結果をいただき、量産に向けたテストの実施を開始しています。お客さまの要望を工場に迅速かつ柔軟に伝えることで、短納期での製作を可能とし、顧客満足につながりました。

精密金属加工はテクダイヤにお任せください

テクダイヤは創業以来、精密機械加工技術でさまざまな製品を世に送り出してきました。業界最小径「10μのディスペンサーノズル」をはじめ、微細かつ高精細な金属加工を実現します。穴あけ、切削、研磨などに課題をお持ちでしたら、ぜひお気軽にお問合せください。テクダイヤならではのソリューションで、さまざまなご提案をさせていただきます!


創業40年の製造業。ダイヤモンド事業からスタートしたテクダイヤは、会社本来の「人好き」が作用し、人との出会いを繰り返しながら業態変化を続ける。 現在はセラミック応用技術・精密機械加工技術・ダイヤモンド加工技術をコアとしながら先端技術のものづくりを支える。スマホやデータセンターなどの通信市場、更にはNASAやバイオ領域にも進出中。