アンケート結果、春節の忘・新年会は2回に分ける?

アンケート結果、春節の忘・新年会は2回に分ける?

前回春節に多くの会社で行う忘・新年会を作業員を中心にした会と、事務職・管理職を中心にした会の2つに分けて実施している会社の例を紹介した。メルマガでは読者の方にアンケートでその賛否を問うてみた。

今回はそのアンケート結果と書き込みいただいたコメントを紹介して、もう少し深掘りをしてみたいと思う。

 

アンケート結果

☆あなたは忘・新年会を2つに分けてやることに賛成ですか? 反対ですか?

◆何の問題もない、賛成だ            5票 (23%)
◆賛成 普段の昼食を分けるなら忘年会もOK    4票 (18%)
◆反対 忘・新年会くらいみんな一緒にやるべき  12票 (55%)
◆わたしの考えはこうだ              1票 ( 5%)

 

わたしにとってこの結果は予想と違うものであった。みんな一緒にやるべきに票が集まると考えていた。わたし自身は一緒にやるべきとの立場でいるし、日本人であれば多くの人がそのように考えているのかと勝手に思っていた。

忘年会や新年会をやる目的は、従業員への感謝を示すこと、会社に帰属意識を持ってもらうこと、そして一体感を持ってその後の仕事に取り組んでもらうことであろう。

表向きはそうであっても、実のところある意味作業者のガス抜き的要素があることは否定できないのではないか。ただし、表向きの要素につなげられるようにすることが大事だと考えているし、今までそのように伝えてきた。

今日のポイント

ここでいただいたコメントを紹介する。書き込みをいただいた「物流屋」さん、「pon」さんありがとうございました。

最初は物流屋さんのコメントです。

 

『普段から現場作業員とも十分コミュニケーションが取れているならば、どちらでも良い。但し、実際にはできていない・不十分なところが多数ではないか。にも関わらず、食事も別、宴会も別々では、厳然とした格差を感じる作業員が多くなり、労使一体の改善は望めない上に、トラブル時に雇用者に対する反発心が強くなる。

一方、格差があるのも事実である為、ベッタリ仲良くする必要はなく、純粋にボス連中と酒を飲んで仲良く話して、遊びもできる機会を年に1・2回もつ、という場ととらえている。私の職場でいえば、現場拠点が分散しているために全体宴会は多くて年2度、幹部とはゲーム、商品などは出さずに別に“飲み会”を催し、ノミュニケーションを図ることでバランスを取っている(幹部連中のレベルアップがまずは先決、との判断から)』

 

普段から現場作業者と十分コミュニケーションが取れているのであればどちらでもよい。ただし、実際そのようにできている会社は少ないのではないか。とのことですが、わたしが多くの工場を見てきた経験からいうと、現場作業者と十分なコミュニケーションができている会社は少数派ですね。

物流屋さんは、先ず幹部の方々との交流を重視していますね。また、幹部のレベルアップが先といっています。これはわたしも同感する部分が多いです。工場を実際に運営していくスタッフのレベルで工場の管理レベルが決まってしまうことは多いといえます。

次にponさんのコメントです。

 

『忘年会だけに限定した問題ではないと思う。社員の意識は1回の忘年会だけで左右されるものではないからだ。会社への帰属意識を問題にするのであれば、普段からの人事処遇制度に照らし、忘年会という一つの行事をどう位置づけるかということになると思う。

現場作業員が管理職や事務所スタッフに昇格(?)できる制度に有るのか無いのかでも変わると思う。昇格ができる制度であるならば忘年会を分けたとしても、いつかはあの席に出席できる、出席したいと思わせモチベーションを上げることもできるだろう。

そういった制度がなく、ただ単なるお楽しみ会であれば全員一緒にしかも幹部職も商品が同じようにある方が良いのではないかと思う』

 

このponさんのコメントはわたしにはとても新鮮かつ自分の視野の狭さを自覚させてくれたものだった。

社員の意識は1回の忘年会だけで左右されるものではない。確かにその通りですね。普段からの取組みが欠かせないということです。また、現場作業者から事務所スタッフや管理職に昇格できる制度が必要とのこと。これもその通りだと考える。

作業者から事務員への登用については、関与した会社ではその必要性は話すようにしている。

 

わたしもみなさんにお伝えしたいのは、お金をかけて行う忘年会・新年会を単なる飲み会やお楽しみ会で終わらせるのはいかにももったいないということだ。せっかくの機会なのだから少なくとも会社の考えや従業員の人たちへの想いを伝えようということだ。

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/