めっき不良の話(ヤケ編)
こんにちは、Tbです。
モノづくりをしていると、度々不良に出会います。そしてその不良を改善することが私たちの仕事のひとつ。
今回は私の担当するめっき工程で発生する不良のひとつ、「ヤケ」を紹介します。
テクダイヤのAuめっきは「光沢めっき」。
普段は自分の顔の毛穴が写りこんで暗い気分になる程度の光沢があります。
まるで鏡です……。ふとした瞬間、自分の顔が写りこむ悲劇……。
そして今回取り上げる「ヤケ」は
これが「ヤケ」のある状態。「焦げ」とも言います(写真のサンプルはわざとめっきしない部分をつくっています)。
生産中に、めっきがこんな状態になっては大問題です。
もちろん通常は発生しません。写真のサンプルは故意に発生させました。
そう、故意に「ヤケ」を発生させられることはとても重要。
故意に発生させることができる=原因がわかっているとなるからです。
めっきでは一般的なことですが、「ヤケ」は電流密度が高すぎる場合に発生します。
電流密度は高い方がめっき時間を短くすることができていいのですが、高すぎると「ヤケ」が発生します。
めっきされる側が耐えられる電流密度の範囲を知っていないと、品質・作業時間ともに最適なめっきをすることができないのです……(実際には他の要素も含めて最適条件を探す必要がありますが、今回は省略)。
めっきされる基板の素材や厚みによっても使える電流密度の範囲が変わるので、うっかり「ヤケ」を発生させないよう、気を付けて作業しています。