【就活 -既卒・第二新卒- 】ポータブルスキルについて
大手人材会社によると、2009~2018年の転職者の内、同業職種内の転職は32.6%。異業種は、67.4%。
同業種×同職種への転職が一般的だったのは既に過去の話で、今や越境転職がスタンダード化している。
と言っている私自身も、越境転職。新卒で入った会社を3年未満で退社した。
転職活動を通して、越境をして、私が感じた事について投稿する。
就活をしている人。入社1年目の人。転職をしようとしている人。そんな方々の頭の整理の一助となれば幸いだ。(ちなみに、別に転職をおススメしているわけではない。転職しても、しなくても、正解なんか無いし、人それぞれだと思うから。)
【はじめに】
2017年に新卒でアパレル企業に入社。2019年11月に、テクダイヤに転職。
セブにある工場をサポートする部署に配属。もっぱら文系。
そんな私が、服を売るアパレル業から、モノを作り売る製造業へ、転職。
「アパレルから製造業だなんて、全くゼロからのスタートじゃないの?」
「今までの経験が無駄になるんじゃ?」「やっていけるの?」
と、思っている方。そう、私自身働き始めるまでそう思っていた。
でも今は、無駄な経験は無いなと思うし、ゼロスタートではないと感じている。
さて、それっていったいどういう事なのだろうか。
【転職活動を通して浮かんだ疑問】
転職活動を始めた頃から、漠然とした事を考えていた。
2020年ってどんな時代?そしてこれからどんな時代になっていくのか?と。
老舗和菓子店がITベンチャーとタッグを組んでビジネスをする時代。
小中高生がyoutubeやブログでお金を稼いでいる時代。
ボーダーレス・シームレス・グローバル・ダイバーシティ……
いろんなカタカナ達が世の中の動きを表しているけど、
要は、人の価値観や仕事の在り方は、どんどん変わるという事。
そういう事を考えていると、
業種、職種、時代背景に左右されずに、通用するスキルって何なのか?という疑問を持った。
【ポータブルスキル】
そこで、出てくるのが“ポータブルスキル”と言われるもの。
さて、こんなピラミッドを見たことあるだろうか?
“働く”ことにフォーカスをした時のスキルを、このようにピラミッドで定義している。
テクニカルスキル、ポータブルスキル。そして土台となるスタンス。
スタンスとは、すべての土台となる部分。仕事に対する姿勢や価値観の事だ。
テクニカルスキルとは、特定業種の専門的な知識。
そして、もう一つがポータブルスキル。様々な定義があるが、厚生労働省は
【業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な能力のこと】と定義している。
その人自身に備わっている能力で、たとえ別の業種、職種、部署に移ったとしても
継続して活用することができる。汎用性がある能力という事だ。
そして今、私自身このポータブルスキルが非常に重要だと感じている。
では、具体的にポータブルスキルとは何なのだろうか。それは2つの要素で構成されいる。
⑴人との関与の仕方
・社内対応
・社外対応
・部下マネジメント
⑵仕事の仕方
・課題を明らかにする
・計画を立てる
・実行する
要するに、資格などでは定義できない
⑴コミュニケーションスキルやマネジメントスキル
⑵問題解決能力 を持ち合わせているかどうか。
【実際に転職して感じる事】
異業種へ転職となれば、全てが新しい。
日々の会話で初めて聞く単語は絶えないし、
会議中に分からない単語をググるのは日常茶飯事。
専門的な知識(=テクニカルスキル)はゼロからのスタートだ。
勿論、仕事をしていく上で、その分野の専門的な知識は必須。無いと話にならない。
逆に言えば、私がアパレル企業で学んだ専門知識は役に立たないという事。
なんだけれども、そうなんだけれども、
製造業の専門知識だけを知っていれば仕事ができるかというと、そうではない。
専門知識だけがあっても、上述の⑴⑵の土台がないと仕事でアウトプットを出すのは難しい。
ピラミッドの様に、
ポータブルスキルとテクニカルスキルをバランス良く付けていくことが大切なのである。
そして何よりテクニカルスキルの土台となる、ポータブルスキルが重要なのは言うまでもないだろう。
(もちろんスタンスがある事が前提で)
もう少し具体的に、問題解決に焦点を当てて話をすると、
“問題を定義して、計画を立てて、他を巻き込み実行する、そしてそれが根ずくまでトライとエラーを繰り返す”
という問題解決のフレームワークがある。
(このフレームワークは人それぞれ。各々に勝ちパターンみたいなのを確立するのも大事だと思う。)
アパレルだと、客単価が低い・集客に課題がある・接客関連のクレームが多いという問題。
製造業だと、納期返答に時間がかかる・歩留が悪い・部材の欠品という問題。
これらは一見全く違う問題。必要となるテクニカルスキルも異なる。
しかし、それらをどうやって自分の問題解決のフレームワークに落とし込むか?勝ちパターンに持っていくか?それってアパレル業も製造業も、変わらない。ポータブルスキルだという事だ。
【最後に】
これを読んでる
「異業種転職って全部ゼロスタートでしょ」と考えている人。
「専門的な知識がないから、こういう分野にはチャレンジできない」と考えている人。
勿論、異業種に転職をすると不利になる点だってある。でも、
そういった場面で、人はテクニカルスキルがない事を、過度に心配しがちとも思う。
テクニカルスキルが重要な事に間違えない。あるに越したことはない。
しかし、それだけが全てではないはず。というか、もうそういう時代ではない。
今回の新型コロナウイルスにしても、世の中は思わぬタイミングで崩れる。
大手自動車メーカーが医療器生産に参入しているように、
いかなる環境でも、柔軟に適応する。そして、アウトプットを出す力ってすごく大切。
転職にしても、社会情勢にしても、
自分が将来どんな環境・状況でどんな事を仕事をするかなんて分かっているようで、分からない。
国や、業界、職種、部署、環境、状況が変われど、そこで通用する人材になる。
要するに、ポータブルスキルを備えている人。それが、今の時代に求められる人材なのではないだろうか。
そして何より、自分の可能性を広げる事ができる。
これが、私が転職を通して感じた事。
それっぽい事を偉そうに書いたけど、私のテクダイヤライフは、ここからがスタート。まだまだです。頑張ります!
追記
ここでは、具体的にどうやってポータブルスキルに付ければいいのかっていう話には至りませんでした。
というか、自分もまだまだ模索中です。
きっと本屋さんに行けば、その類の本が沢山あるはず。
周りの部下・同僚・上司から見て学ぶどういうのも一つの手。
自分で考え、やってみるのも一つ。
ちなみに、私が入社1年目で初めて上司に借りた本は、
“世界一やさしい問題解決の授業”という本でした。
3年前、“思考力足りないから、これ読みな”と言われ、凹みながら読んだ本。
転職した今のタイミングで、もう一度読みたいと思った本でもあります。
皆さん時間があればぜひ!