『Wikipediaは6回のリンクでどの記事にも行ける』
主題通りのゲームが何年か前に流行った。
久しぶりに思い出して検索してみたら、自動経路探索のサイトがいくつかヒットした。
たとえば ガンダム⇒ごま は
ガンダム⇒ロボットアニメ⇒大韓民国⇒琉球⇒ごま
でいけるらしい。最短経路ではなくなるが、以下のルートでもOKだ。
ガンダム⇒ナパーム弾⇒パーム油⇒揚げる⇒ごま油⇒ごま
ネットで話題になっただけあって、試行回数は膨大。
いくつものこれは無理だろうという例があっさりとクリアされていた。
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いつだったか、知り合いの知り合いをたどって行けば、
6人くらいで世界中のどんな人にもたどり着ける、と聞いたのを思い出した。
本質的にはたぶんこれだ。
せっかくなのでwikipediaで調べてみると「6次の隔たり」という記事がヒットした。
この記事によると
『この仮説を描いた最古の作品はハンガリーの文学者カリンティ・フリジェシュによる1929年の小説『鎖』とされている』
とある。
1929年というのを見て、なるほどと思った。
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この仮説、反例を作るのは結構簡単である。
wikipediaの件ならば、どの記事にもリンクしない新規の記事を作ってしまえばいい。
知り合いの件ならば、ある両親から6ステップで、かつそれ以外の経路が存在しない人A を用意する。
その両親に赤ちゃんが生まれたとすると、赤ちゃんは両親以外知り合いがいないので、先ほどのAまでの
ステップは6+1で7となり仮説から外れる。
(医者や看護師はどうかって?それは今は考えないことにしよう)
屁理屈こね回せばいくらでも反例を上げることができる。
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さて、なぜなるほどと思ったのかというと、ちょうどその頃だと思うからだ。
1876年 ベルが電話を発明
1881年 ドイツで世界初の電車の営業運転開始
1903年 ライト兄弟初飛行
あれ、意外と世界ってちいさいんじゃあないかな。
と思ったかどうかはわからないが、少なくともそれ以前とは全く別の世界になったと思う。
生まれた町から一生出ることなく、閉じた世界で暮らしていた時代。
僕の知り合いはあいつの知り合い。あいつの知り合いは僕。
そんな時代にこんな仮説は出てくるわけがない。
閉ループの塊では最短経路もへったくれもない。
しかし世界は技術によって圧倒的に開かれた。ずっと”ちいさく”なった。
こうして生まれたのが6次の隔たり仮説なんだろう。
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6という数に特に大きな意味はなく、1人につき44人の知り合いがいると仮定すると
44^6=7256313856となり、地球の人口70億人を超えるよね?というだけの話だ。
しかし、この関係の「枝」が多ければ多いほど、もしくは「枝」をたくさん持っている人と
知り合いになればなるほど、自分の次の一手の幅は広がる。
44^6と44^5*45では1億6千万以上の差があるのだ。
単純計算だが、1人知人が増えるだけでこれだけの違いが出る。
無理をして友達100人出来るかなをしたり、眉間に皺寄せて難しい本を読んだりする必要はないと思う。
ただこのことを頭の片隅にでも置いておけば、少しだけ世界に対して積極的になれる気がする。