「金属加工製品」と「ダイヤモンド加工製品」に用いられる技術
テクダイヤには、精密機械加工技術部という部署があります。
この部署で製作する製品は大きく分けて2つ。
金属加工製品とダイヤモンド加工製品です。
金属やダイヤモンドを自由自在に加工し、私たちの生活に欠かせない製品の製造過程に貢献しています。
金属加工製品はスマートフォン・3Dプリンティング・医療機器などに活かされ、ダイヤモンド加工製品は青色LED・ゲーム機・ハイブリッド自動車・エアコンに活かされています。
今回は、金属加工製品とダイヤモンド加工製品がどのような技術を用いて製作されているのか、製品を例に出して一部ご紹介いたします。
①ディスペンサーノズル
(上:精密ノズル、下:先端スーパーロングノズル)
テクダイヤの金属加工の技術力が詰まった、「ディスペンサーノズル」。
電子部品への接着剤塗布に使用されます。
ノズル先端の直径は0.03mm。これは人間の髪の毛(約0.08mm)よりも細いです。
電子部品が内蔵されている電子デバイス(スマートフォンなど)の小型化に伴い、ディスペンサーノズルも狭く小さい箇所に接着剤塗布ができるようにさらに細く、長くなっていきます。
そこでテクダイヤの超微細な加工技術が活かされています。
使われている技術▽
・微細加工技術
金属を精密に削っていく技術です。円筒形状の金属を回転させながら、固定された刃物状の工具に当てて、金属を削っていきます。
※図上の紺色部分は金属、灰色部分は工具
・精密穴あけ技術
鉄に穴を開ける技術です。固定された金属に、回転軸に取り付けられた刃物を当てて、穴を開けます。
この高精度な技術を活かして、髪の毛よりも細い30μの穴開けを可能にしています。
・ラッピング技術
ノズル先端部を滑らかに整えていく技術です。
これはテクダイヤのディスペンサーノズルの特徴でもあります。
金属の先端を研磨剤が含まれた回転板にすり合わせることで先端を少しずつ削っていきます。
先端を滑らかにすることで、塗布材料がノズル先端に付着することを防ぎます。
5,000ショットではノズル先端に液剤が付着しているのがわかります。
②ディスペンサーノズル(ルビーノズル)
ディスペンサーノズルの応用製品で先端にルビーを取り付けた「ルビーノズル」。
ディスペンサーノズルにおいて高流動性(塗布剤がスムーズにノズル内を通ること)は、安定した塗布をするために重要なことです。
ディスペンサーノズルの先端をルビーにすることでその高流動性が確保されます。
この製品を製作する際のポイントは金属とルビーを接着する技術です。
使われている技術▽
・微細加工技術
精密穴あけ技術
・焼きばめ技術
鉄とルビーを結合させる技術です。
鉄は加熱すると膨張します。
その特徴を活かして、鉄(紺色)を加熱し膨張させ、その間にルビーを入れ、冷却。
そうすることで堅く結合させます。
※図上の赤色部分はルビー
③ダイヤモンドスクライブツール、ダイヤモンド圧子、ダイヤモンドピンセット
その名の通りダイヤモンド加工技術を用いて製作されている、
「ダイヤモンドスクライブツール」「ダイヤモンド圧子」「ダイヤモンドピンセット」。
また、ダイヤモンドはテクダイヤの社名の由来でもあります。
創業時から培われてきたダイヤモンド加工技術を活かして、ダイヤモンド製工具の製造をしています。
ダイヤモンドスクライブツールは半導体基板となるウェハのカットに使用されたり、ダイヤモンド圧子は工業用材料の硬さ測定に用いられています。
ダイヤモンドピンセットは自動車やスマートフォンなどに使用される水晶デバイスをつまみ上げる際に使用されています。
使われている技術▽
・微細加工技術
・ろう付け技術
ダイヤモンドと金属を接着させる技術です。
接合する金属とダイヤモンドよりも融点の低い合金(ろう)を溶かして、接着剤のようにしてダイヤモンドと金属を接合させます。
※図上の水色部分がダイヤモンド
・ダイヤモンド研磨技術
非常に硬いダイヤモンドを微細に加工する技術です。
ダイヤモンドの粒子が刷り込まれた回転盤にダイヤモンドをすり合わせることで削っていきます。
他にもまだまだ技術はありますが、今回は、以下の6つの技術を紹介しました。
微細加工技術、精密穴あけ技術、ラッピング技術、焼きばめ技術、ろう付け技術、ダイヤモンド研磨技術。
これからも技術を磨いていき、高精密な製品を世の中に送り出していきます!