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貼るだけで窓を簡単に二重化、年間32.4%の電力コスト削減に (陰山遼...

貼るだけで窓を簡単に二重化、年間32.4%の電力コスト削減に (陰山遼将,[スマートジャパン])

 オフィスや店舗、住宅をより省エネにしたい――。そう考えた時、選べる手法は空調の見直し、照明の交換などさまざまな方法があるが、見逃してはいけないのが窓の省エネだ。日本サッシ協会のデータによれば住宅の場合、冬は窓から50%の熱が逃げていく。一方、夏は窓から70%の熱が侵入してくるという。夏と冬、どちらの季節においても窓は省エネ対策の重要なポイントになる。

 こうした窓の省エネ対策に向けた製品として、旭硝子のグループ会社であるAGCグラスプロダクツが開発した製品が「アトッチ」だ。1枚ガラスの窓に後からガラスを貼りつけて複層ガラスにし、窓の省エネ性能を高められるというユニークな製品だ。2012年の販売以降、窓の省エネ改修手法として採用数を伸ばしており、間もなく累計導入面積が2万平方メートルを突破するという。

後付けで窓を2重に、数日間で取り付け可能

 アトッチは既に取り付けてある窓に、特殊金属膜をコーティングしたエコガラス(Low-E ガラス)をそのまま貼りつけることで、複層ガラスと同等の省エネ性能を確保できるという製品だ(図1)。夏季はエコガラスによって遮光率を高め、冬季は2枚のガラスの間に生まれる空気層によって室内の熱を外に逃さない(図2)。

図1 「アトッチ」の施工をイメージしたカットモデル

 一般的な6mm(ミリメートル)の1枚ガラスと比較した場合、アトッチを取り付けることで夏場の遮熱性は約1.8倍、冬季の断熱性は約3.7倍に向上でき、結露対策にも有効だという。

 施工のしやすさも特徴で、例えば高層ビルなどの場合でも、室内から取り付け施工が行える。高層ビルやホテルなどでよくみられる開閉しない固定窓を2重化する場合、外側に足場を作るなど、大掛かりな交換工事になることが多い。アトッチの場合こうした作業を簡略化できるため、施工期間も短く、取り付けるエリアの規模によっては土日などの週末の休業日だけで施工を終えることもできるという。「まずは一番大きなオフィスだけ」というように、分割して施工を進めることも可能だ。

図2 「アトッチ」の構造 出典:AGCグラスプロダクツ

施工品質にも配慮

 アトッチは貼りつけた際に、2枚のガラスの間の空間を減圧して密着性を高めるという独自の施工方法で取り付ける。通常こうした2重ガラスの窓は工場で製造し、現場に運んで取り付けを行う。こうした工場生産で担保する品質を、現場施工で実現できるようその方法についても開発を重ねたという。なお、アトッチの実際の施工に関しては、AGCグラスプロダクツの認定を受けた「アトッチ・クラブ」が行う。

 このように窓の省エネ性能を高める場合、窓に遮光フィルムを貼るという方法が一般的だ。しかしフィルムの場合、夏季は効果を発揮するが冬季に断熱性能を高めることは難しい。そして結露の対策にはならない。「アトッチの場合、冬も夏も年間を通じて省エネに貢献できる。フィルムのように定期的に貼り替えを行う必要もないため、メンテナンスコストの削減にも貢献できる」(ブース担当者)。

年間32%の省エネに

 窓の遮光・断熱性能を高めると、結果的に空調コストの削減につながるため、トータルでエネルギーコストを抑えられるという仕組みだ。AGCグラスプロダクツの試算では、東京都にある建物幅と奥行きがそれぞれ15メートル、6階建ての1枚窓を採用しているビルにアトッチを導入した場合、年間32.4%のエネルギーコスト削減につながるという(図3)。

図3 「アトッチ」を導入した場合の省エネ効果のシミュレーション 出典:AGCグラスプロダクツ

 一方でアトッチは高性能な分、フィルムを貼りつけるより導入コストは数倍以上高くなる。ブース担当者は「フィルムよりは高いが、貼り替えが不要でありメンテナンスコストを削減でき、夏と冬のどちらでも年間を通じて省エネに貢献できるというメリットがある。その建物や設備の立地や条件によって異なるが、今後その施設を長期間利用していくのであれば、十分に初期投資を回収できるとして提案を進めている」としている(図4)。

図4 「アトッチ」の導入事例


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