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脳や行動の性差を決める遺伝子のスイッチを発見 ([MONOist])

2016/11/1 IT media

脳や行動の性差を決める遺伝子のスイッチを発見 ([MONOist])

 東北大学は2016年6月3日、ショウジョウバエの実験により、脳と行動の雌雄による劇的な違いが、たった1つの遺伝子のスイッチを入れる/切るかで生み出されることを立証したと発表した。同大学大学院生命科学研究科の山元大輔教授らの研究によるもので、成果は同日、米科学誌「Current Biology」オンライン版に発表された。

 雄が求愛行動をするには、fruitlessと呼ばれる遺伝子の機能が必要となる。この

遺伝子が雄の脳内でFruitlessタンパク質を合成し、雌の脳ではそれが作られないことで、脳に性差が生まれるため、Fruitlessタンパク質は、脳の「雄化物質」といえる。

 Fruitless細胞のうち、mALという細胞群では、雄が3カ所に突起を伸ばしているのに対し、雌ではそのうちの2カ所だけに突起を伸ばすという歴然とした性差が見られる。「雄化物質」であるFruitlessタンパク質が、なぜ脳細胞の形を雄化できるのか、「雄化物質」を持たないとなぜ脳細胞が雌の形になるのかは、これまで明らかになっていなかった。

 今回、研究グループは、神経が突起を伸ばす際に使われる遺伝子を1つずつ人工的に阻害して、神経細胞の形にどのような変化が現れるかを観察した。その結果、ロボという遺伝子の働きが低下すると、雌の脳にも雄特異的突起ができることを発見した。

 つまり、ロボ遺伝子は雌の脳内で「オン」になっており、雄特異的突起が作られるのを妨害する働きをする。一方、雄の脳では、Fruitlessタンパク質がロボ遺伝子に結合し、ロボ遺伝子を働けないようにしてしまう(スイッチを「オフ」にする)ため、雄特異的突起が作られる。

 また、この研究によってFruitlessタンパク質が、結合する相手を見つける時に目印にしているDNAの暗号も判明。その暗号は、16文字の回文構造の塩基配列だった。ロボ遺伝子がこの16文字の回文構造を持っているため、Fruitlessタンパク質がそこに結合し、ロボ遺伝子の働きを抑制することができたと考えられる。ロボ遺伝子から16文字の回文構造を取り除くと、雄のmAL細胞は雄特有の突起を伸ばすことができなくなり、求愛の動作も異常になった。

 今後、16文字の回文構造をゲノム中から探し出すことによって、Fruitlessタンパク質の標的遺伝子(100個程度)が全て特定できる可能性が出てきたという。その全貌が解明されれば、脳の性差を作り出す仕組みや、雌雄の行動の違いが生まれる原因の解明につながるとしている。



「雄化物質」であるFruitlessタンパク質がロボ遺伝子のスイッチをオフ、オンし脳と行動の性差を作る仕組み


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