水銀とは
水銀 基礎知識
水銀基本情報
- 元素記号Hg
- 原子番号80
- 原子量 200.6
- 英語名 Mercury
- 汞(みずがね)とも書く
水銀の種類
よく知らなかったのですが、水銀と一言に言っても種類がたくさんあるようです。
一般的に「水銀」と聞いて一番に想像する銀色の液体、金属水銀をはじめ、酸化水銀、硫化水銀などがあります。
金属水銀(Hg0) | 体温計などに使われる最も身近な水銀です。気化しやすく、そのガスを吸いすぎると、肺、腎臓、脳などが冒されます。 |
酸化水銀(HgO) | 防腐剤として使われてきました。結膜炎や角膜かいようをおこします。 |
硫化水銀(HgS) | 水に溶けません。赤い色素として、神社の塗装や古墳の装飾にも使われました。自然界の水銀の大半がこの形で存在します。 |
塩化水銀(HgCl2) | 毒性実験の大半に使われる無機水銀です。消化管から吸収されにくいために、注射によって動物に与えます。重い腎臓障害を起こします。 |
塩化メチル水銀(CH3HgCl) | メチル水銀の塩化物。水俣病の原因物質です。体内にはいると、体中いたるところに分布します。 |
環境省 水俣病研究センター 引用
金属だけど常温で液体だよ!
水銀は融点が-38.83℃、また固体が気体になる温度(沸点)は357℃です。
つまり、一般的な※常温で、液体にな唯一の金属です。
小さい頃は水銀が金属というイメージが全くありませんでした。笑
※日本工業規格では常温を20℃±15℃(5~35℃)の範囲として規定(JIS Z 8703)
体に良くないの??
さて、水銀=体に良くないというイメージを皆さんおもちではないでしょうか??
水銀(塩化メチル水銀)が水俣病の原因物質だということは有名な話です。
ただ、昔の人々はそんなことは知りません。
その特性や外見から、不死の薬と考えられ、中国の皇帝に愛用され、日本でも若さと美しさを保つために飲むといったことが一部で行われていたようです。
水銀を飲んだせいで早くに亡くなってしまったのではないか?と言われていますね。
ただ、文献をいろいろとみていると、金属水銀は飲んでも体から排出されるため、無害だという文献も目にしました。
んーどうなんでしょう?実際のところ自分で実験したわけではないので、わかりませんが、体にはよくないでしょう。わざわざ水銀を飲むことはないですね。笑
(ただし、金属水銀も気化すると有害になることはわかっています。)
きっと美味しくはないと思います!!(←飲んだことはないけど……)
水銀めっき
昔の日本では、金を水銀に溶かしアマルガム化し、これをめっきしたいものに塗布してから加熱、水銀を蒸発させて金だけを残す方法が行われていました。
水銀を気化させているのですから、相当危険な行為です。
※アマルガムとは水銀と他の金属との合金の総称
めっきの語源
アマルガム化の際に金が水銀中に溶かされてしまい、見えなくなってしまうことから滅金→めっきと呼ばれるようになったそうです。
水俣条約について
水銀及び水銀化合物の人為的な排出から、人の健康及び環境を保護する、という目的のもと、日本では2020年に、多くの水銀添加製品製造や輸出入が禁止されます。
参考文献
環境省 水俣病研究センター
http://nimd.env.go.jp/archives/tenji/c_corner/c02.html
水銀に関する水俣条約について
http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/seizou/kagaku/pdf/001_02_04.pdf
科学のはなし
https://www.inc-reliance.jp/science/56254
水銀 ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E9%8A%80