ものづくりニュース by aperza

次世代カーエアコンは乗員の心拍数で室温を制御する!? (齊藤由希,[M...

2016/11/1 IT media

次世代カーエアコンは乗員の心拍数で室温を制御する!? (齊藤由希,[MONOist])

 芝浦工業大学(機械制御システム学科 教授 伊東敏夫氏)とカルソニックカンセイは2016年7月6日、ドライバーの心拍数を基に快適かつ最小限に空調を制御する次世代カーエアコンの研究を開始したと発表した。暑くなる/寒くなるといった温度変化がストレスとなるため、心拍数や自律神経の働きからドライバーが感じている快/不快を識別できることを実験で明らかにした。ドライバーの快/不快に合わせて室温を制御して空調の効率を改善することにより、燃費性能の向上や電気自動車の走行距離延長につなげる。



ドライブシミュレーターを活用して、温度変化による快/不快を識別する研究を行う (クリックして拡大) 出典:芝浦工業大学

 心拍数を基にして温度変化による快/不快を識別する方法は論文「温度変化による心拍と温熱感との関連に関する研究」にまとめ、自動車技術会の2016年春季大会で発表した。

 人間がストレスを感じているかどうかの指標となる生体情報は、脳波が代表的だ。しかし、脳波よりも運転中に測定しやすく、計測機器をシートやステアリングに組み込むことが可能なため、心拍数を基準とした。

 実験では、室温26.5℃を一定時間維持した後、21.0℃に低下、もしくは31.7℃に上昇させて室温を維持する環境で、被験者の心拍数を測定した。心拍間隔(RRI)や、心拍数を基に算出した交感神経/副交感神経の働きから、温度変化によって感じる快/不快を識別できるか検討した。

 この結果、快適な26.5℃と温度変化させた後の21.0℃/31.7℃の条件では、心拍数や自律神経の働きを示す数値が異なることが分かった。室温を低下/上昇させた後は、ストレス状態であることを示す自律神経の働きの数値が大きく増加した。また、室温を上昇させた後はRRIが減少し、室温が低下した後はRRIが増加するといった、温度変化による結果の違いも見られた。測定値に明確な差があり、快/不快を心拍から判断できるとしている。

 今後は、リアルタイムな快/不快の識別を行うことを目標とする。また、体格の違いや、実際の運転、突発的な緊急事態など、心拍数を変動させる実験条件を追加して検証を継続する。


製造業に従事するエンジニアを対象に、モノづくりの現場で働くスペシャリストの役に立つ技術情報や業界の最新動向を提供するメディアです。「組み込み開発」「メカ設計」「製造マネジメント」「オートモーティブ」の4つのフォーラムを中心に、基礎から応用まで多彩な技術解説記事、図版を多用した分かりやすいコンテンツ、話題のトピックスをより深く掘り下げた連載記事など、モノづくりに役立つ蓄積型コンテンツを充実させ、製造業における最新かつ専門性の高い技術情報を発信することで、技術者の問題解決をサポートしていきます。本サイトの名称は、“モノづくり(MONO)” と “~する人(ist)”の造語です。 http://monoist.atmarkit.co.jp/