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東京電力のデータ通知の遅延は改善せず、年内の問題解決むずかしく (石田...

東京電力のデータ通知の遅延は改善せず、年内の問題解決むずかしく (石田雅也,[スマートジャパン])

既報(8月9日):「東京電力の対応に小売電気事業者の不満、協定完了は2割強にとどまる」

 東京電力パワーグリッド(東京電力PG)は電力使用量の通知が遅延している問題に関して、最新の状況を8月22日に電力・ガス取引監視等委員会に報告した。通知の遅延は家庭の利用者を中心に、需要データと発電データの両方で発生している。8月19日の時点で需要データの未通知は1万8503件、発電データの未通知は6877件にのぼり、前回報告時の8月2日の状態からほとんど減っていない(図1)。


 というのも遅延の原因になっている託送業務システムの不具合が解消できていないからだ。月が替わると新規に通知するデータの処理をスムーズに実行できず、以前のデータの未通知を人手で解消する一方で新たな未通知が発生し続けている。東京電力PGが委員会に報告したところによると、遅延の原因は主に3つある(図2)。

 そのうち2つは人的なミスとはいえ、もともとの原因は利用者の契約情報や使用量などを管理する託送業務システムの不具合によるものだ。利用者が東京電力から小売電気事業者に契約を変更した場合には、メーターを旧式から新型のスマートメーターに交換する必要がある。その際にメーターの登録情報をシステムで適切に処理できていなかった。

 さらに深刻な問題は3つ目の原因に挙げられているシステムの不具合が現在も解消できていないことだ。託送業務システムの内部には利用者ごとの使用量などを格納する複数のデータベースがあるが、それぞれのデータベースにメーターの登録情報が正しく反映できなくなっている(図3)。

 旧式と新型のメーターでは検針期間が異なるため、メーターの登録情報が間違っていると、毎月の電力使用量を正確に算定できない。現在は人手で補正する作業を続けているものの、大量に発生するデータの処理を期日に間に合わせることはむずかしい状態だ。システムの不具合を解消できない限り、この問題は今後も続いていく。

約3000件は電力使用量を確定できず

 東京電力は託送システムの不具合を解消する恒久対策チームの要員を10人から20人に増やして、10月末をめどに問題解決を目指していた。しかしメーターの登録情報を正しく反映できる対策を完了できるのは早くても年内いっぱいかかる見込みだ。来年まで持ち越してしまう可能性もある。

 その一方で電力使用量を正確に把握できないと、小売電気事業者は利用者に対して電気料金を請求できない。4月分と5月分を合わせて月間の電力使用量を確定できていない件数が2949件にのぼっている。東京電力PGは電力使用量の確定方法を小売電気事業者と協議中だが、協議を完了できたのは3分の1程度にとどまり、残る2000件近くは現在も電力使用量を確定できない状況のままだ(図4)。


 しかも協議の対象になっている件数のうち8割は同じグループの東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)が相手である。東京電力EPが従来の規制料金メニューから新しい自由料金メニューへ契約を変更したケースで、新規参入の事業者と競争しながら維持した顧客が対象になっている。

 東京電力PGは7月から小売電気事業者と協議を開始した。8月17日の時点では8月3日と比べて対象件数がわずかに減少したものの、協議が完了した件数も減っていて、未完了の件数は1882件から1920件へ増加している。すでに4月・5月分は電気料金の請求が2カ月以上も遅れている状態で、利用者と事業者の双方に混乱を与えている。


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