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東京電力のシステム不具合が続く、未通知件数が最大4万件を超える (石田...

東京電力のシステム不具合が続く、未通知件数が最大4万件を超える (石田雅也,[スマートジャパン])

既報(5月23日):「東京電力のシステムに不具合、またも小売自由化に支障をきたす」

 東京電力の送配電事業を担う東京電力パワーグリッドが「電気使用量の確定通知の遅延」について経済産業省から報告徴収を求められ、5月31日と6月8日の2回にわたって状況を報告した。問題が発生しているのは「託送業務システム」で、需要家の電力使用量をもとに小売電気事業者に対して使用量の確定値を通知する役割を担っている(図1)。

 ところがシステムの不具合によって、4種類のデータ処理が適切に実行できていない。そのうち2つは需要家に設置したスマートメーターからのデータや旧型のメーターからの移行情報が正しく取得できていないことによる。3つ目はスマートメーターで検針したデータに欠落がある問題、4つ目は検針データをもとに需要家の使用量を確定させる部分で不具合が発生している。

 この結果、小売電気事業者や発電事業者に通知すべき使用量や発電量の確定値を迅速に通知できず、各事業者は電気料金の請求や関連する費用の支払い・請求を予定どおりに実行できなくなってしまった(図2)。数多くの事業者が売上や経費を計上できないばかりか、電力会社から契約を切り替えたことによる遅延ではないかと需要家に指摘されるなど、事業者の信頼性にまで影響を及ぼす事態に発展している。

 6月7日の時点で電力の需要データに関する未通知の件数は約2万件にのぼる。このうち半数は東京電力が4月1日に開始した自由化後の新料金プランに移行した分で、残り半数が小売電気事業者に通知すべき需要データである(図3)。5月30日の時点と比べると未通知件数は減っているものの、一方で企業向けの特別高圧・高圧の需要データで未通知が増えている。

6月最終週に解消の見込みだが

 さらに太陽光発電などの発電量のデータも託送業務システムで確定して事業者に通知するため、同様に未通知件数が6月7日の時点で約2万件にのぼった。しかも5月30日の時点と比べて件数は増えている(図4)。住宅を中心とする低圧の太陽光発電に加えて、発電量の多い特別高圧・高圧の事業者を含めて、通知対象の5割以上が未通知の状況だ。

 一連の問題に対して東京電力は託送業務システムを使わずに手計算で対応している。システムの不具合が解消できていないためで、6月8日の報告の中でも不具合を解消できる見通しを示せていない。

 需要データに関しては6月7日の時点で約2万件の未通知が残っているが、6月20日の週に2400件へ、翌27日の週にはすべて解消できる予定だ(図5)。発電データも同様に6月27日の週に未通知を解消する見込みを明らかにしている。この間に小売電気事業者や発電事業者と協議しながら需要データと発電データを確定させる。


 ただし託送業務システムの不具合がなくならない限り、小売の自由化後に増え続けている契約変更の対象が拡大している状況では、再び未通知が発生する可能性は大いにある。東京電力は問題の収束に向けて、外部委託を含む70人を増強して総勢600人近い体制で解決を急ぐ(図6)。

 問題の根幹にある託送業務システムの不具合を完全に取り除くことができなければ、今後も小売の自由化に支障をきたしかねない。1日も早い解決が求められる。


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