手直しは後工程でやるのだが??

手直しは後工程でやるのだが??

個別の機械や装置を製作しているある中国企業の工場では、装置の躯体となる材料加工工程が先頭工程となっていますが、その加工工程での品管部の検査で不具合が見つかることが少なくありません。

ものが大きいので、不具合=廃棄とはなりません。不具合品は、手直しをすることになります。手直しは、不具合が発生した工程で行うものもありますが、後工程に任せるものもあります。

その判断基準は、その工程でなければ手直しできない不具合に関しては、その工程で行います。後工程で手直しができるものは、後工程で実施することとなっています。

品管部による工程検査の記録はきちんと取っているので、その記録を見れば、どこが不具合なのかがわかります。しかし、その検査記録は、加工された材料に付いていくことはなく、品管部にファイルされます。

後工程での加工記録を見たのですが、手直しをした記録はありませんでした。また、後工程での品管部の検査記録を見ても、手直し箇所を検査した記録もありませんでした。

作業者に「この材料は、どこを手直しすることになっていたのか?」と質問したところ、「そんなことは知らない。作業していて手直しが必要だと思ったところは手直しをする」との回答がありました。

この工場では、後工程で手直しをすることを条件として、検査不合格でも次工程にものを渡しています。言ってみれば特採をしている訳ですが、その特採の条件が履行されていません。

前工程の検査で不具合が見つかったものを後工程で手直しをするのであれば、手直し指示書などで手直しが漏れなく実施されるようにしなくてはなりません。また、後工程の検査でも、その手直し指示書に基づき、手直し箇所の不具合が修正されていることを確認することが必要です。

この工場の場合、後工程で不具合箇所を手直しするというのは、ルールとして確立されていた訳ではなく、あとで直せるのだから取り敢えず合格扱いで処理するための方便となっていたのです。

何かあっても後で手直しすればよいという考えが、「それぞれの工程でよいものを作る」という意識を奪っています。

 

出典:


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/