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埼玉から東京へ水素を融通、水素供給拠点となる併設型ステーション (陰山...

埼玉から東京へ水素を融通、水素供給拠点となる併設型ステーション (陰山遼将,[スマートジャパン])

 埼玉県は水素社会の実現に向けて、2020年までに県内に水素ステーションを30基整備し燃料電池車の普及台数を6万台に拡大する目標を掲げている(関連記事)。中でも県庁所在地であるさいたま市は国から「次世代自動車・スマートエネルギー特区」として戦略特区認定を受け、水素ステーションの設置に関する規制緩和や財政支援を受けられる体制を整え、「環境未来都市」の実現に向けた取り組みを推進している。

 同市内で2016年2月8日から営業を開始した東京ガスの「浦和水素ステーション」は、埼玉県で5カ所目となる商用水素ステーションだ(図1)。

図1 「浦和水素ステーション」の外観 出典:東京ガス

 さいたま市は先述した環境未来都市の実現に向けた重点事業として、「ハイパーエネルギーステーションの普及」を掲げている。これはガソリンスタンドなどの1つの拠点で、ガソリンだけでなく、水素、軽油、天然ガス、さらに電気自動車向けの充電設備も加え、1つの拠点で複数のエネルギーを供給できるようにするという方針だ。

 各種エネルギーを集約することで設備の運用コスト低減につながり、災害時にはエネルギー供給拠点として利用できるメリットがある。

 今回営業を開始した浦和水素ステーションもこうした構想に基づくもので、東京ガスの天然ガススタンド「浦和エコ・ステーション」に併設している。建設の計画段階から東京ガスとさいたま市が連携し、2015年1月に建設を開始した。建設費用については経済産業省の「水素供給設備整備事業費補助金」と、さいたま市の「ハイパーエネルギーステーションS整備事業費補助金」を活用している。

^埼玉から東京へ水素融通、水素供給拠点としても機能

 浦和水素ステーションの敷地面積は約1500平方メートルで、水素の充填(てん)能力は300Nm3/h(ノルマル立法メートル)、充填圧力は70MPa(メガパスカル)だ。燃料電池車1台につき、約3分間で水素を充填できる。水素は1kg(キログラム)当たり、1100円で販売する。

 同ステーションは都市ガスから製造した水素を燃料電池自動車に充填する「オンサイト方式」の水素ステーションだ。そのため水素圧縮機、蓄ガス設備(蓄圧器)、ディスペンサー、水素プレクール設備に加えて、水素製造装置や水素出荷設備も備えている。ここで製造した水素を水素製造装置を持たない「オフサイト方式」の水素ステーションにタンクローリーなどで運ぶことで、水素供給拠点としても機能する。

図2 「浦和水素ステーション」(上部)と「練馬水素ステーション」(下部)の位置。車で30分程度の距離だ

 浦和水素ステーションは、東京都内で既に営業を開始している「練馬水素ステーション」「北千住水素ステーション」に続いて、東京ガスが運営する3カ所目の水素ステーションになる。

 この3カ所のうち、練馬水素ステーションのみオフサイト方式の水素ステーションとなっている。そこで東京ガスでは今回開設したオンサイト方式の浦和水素ステーションで製造した水素を、定期的に練馬水素ステーションに供給していく計画だ(図2)。供給頻度については「水素の使用量によって頻度は変わるが、2週間に1回程度のペースで水素を供給していく予定」(東京ガス)としている。


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