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地熱発電トップシェアの東芝、規制の壁厚い日本よりインドネシアに期待 (...

地熱発電トップシェアの東芝、規制の壁厚い日本よりインドネシアに期待 (三島一孝,[スマートジャパン])

 東芝は2016年6月9〜10日に神奈川県川崎市で毎年恒例の「第25回東芝グループ環境展」を開催。その中で、世界シェアトップである地熱発電事業について紹介した。

 東芝では1966年に国内初となる地熱発電所に、20メガワット(MW)の地熱用タービン・発電機を納入。その後も国内で多くの地熱発電プラントを建設している他、メキシコやフィリピン、米国などへの輸出を進めている。現在までに全世界で59ユニット、3.6ギガワット(GW)の地熱発電プラントを展開しており、発電能力では世界トップシェアを保持しているという(図1)。



図1 東芝の地熱発電設備納入実績出典:東芝

 東芝の地熱発電設備の強みについて担当者は「高信頼性」を挙げる。「地熱発電設備は基本的には火力発電と同じ仕組みである。違いとなるのが、自然の温水を利用する点(フラッシュ方式)だ。そのため硫化系の材料や、細かい石粒などにより、タービンなどが劣化するというようなことが起こる。東芝の地熱発電設備は、こうしたさまざまな問題に対し、強い材料やコーティング技術などの開発を積み重ね、高信頼性を実現できるようになっていることが強みだ」(担当者)としている。

 東芝が行っているのはフラッシュ方式のみで、バイナリー方式については米国のオーマット・テクノロジーズ社と提携し、協力した事業運営を進めている。

地熱発電の規制緩和が加速

 2030年の電源構成目標に対し、地熱発電の発電量も増やしていくことが計画されており、そのために規制緩和が進んでいる。地熱発電の課題としては最適地の大半が国立公園や国定公園内にあり、自由に開発ができないという点である(関連記事)。ただ、これらの動きは徐々に緩和されつつある(関連記事)。

 こうした緩和の動きの一方で、東芝では日本の支援の動きは十分ではないと指摘する。「固定価格買い取り制度(FIT)などの状況を見ても、地熱発電は1万5000kキロワット(kW)以上で、調達期間15年で26円。これは10kW以上の太陽光と比べて2円高いだけで調達期間は短い。自然公園との関係性や環境アセスメントなどの負担を考えると、事業運営しやすい状況だとはいえない」(担当者)と問題点を挙げる(図2)。



図2 国別地熱資源量と地熱発電導入量 出典:NEDO

 担当者は「日本では地熱発電の導入が広がるにはしばらく時間がかかると見ている。一方で、地熱資源量が世界2位のインドネシアでは政府が地熱発電を再生可能エネルギーの主力電源としようとする動きが出始めている。そういう意味ではインドネシアなどASEAN地域で導入を伸ばす取り組みが中心になると考えている」と述べている。


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