ものづくりニュース by aperza

国内風力発電は300万kWを突破、今後の課題は接続制限 (三島一孝,[...

国内風力発電は300万kWを突破、今後の課題は接続制限 (三島一孝,[スマートジャパン])

 日本風力発電協会の発表によると、2015年末の風力発電累積導入実績は、2077基・434発電所で、前年比8.7%増となる303.8万kW(キロワット)になったという。2015年1〜12月の単年の導入量で見ると、109基・22発電所で24.4万kWになった(図1)。

図1 2015年末(12月末)の風力発電の累計導入量と単年導入量の推移※出典:JWPA

 一方、2016年3月末までの推定累積導入量については、2143基・441発電所で8.4%増の316.7万kWとなる見込みを示す。また2015年4月〜2016年3月の単年で見た場合は、118基・20発電所で24.6万kWの見込みだ(図2)。

図2 2015年度末(2016年3月末)の風力発電の推定累計導入量と推定単年導入量の推移※出典:JWPA

 2012年7月に導入されたFIT制度による風力発電(20kW以上)が比較的高額に設定されていることなどもあり、風力発電は比較的順調に成長が続いたといえる。さらに大型プロジェクトが複数完成したこともあり、2015年末の累積導入量は300万kWを超える水準に達した(図3)。

図3 2015年度末の推定導入量メーカー別シェア出典:JWPA

北海道・東北地域への投資が目立つ

 風力発電事業者による新規案件の開発も進んでいる。2015年末時点で、環境アセスメントの手続き中案件の累計量は、北海道と東北地方を中心に約764万kWまで積み上がっているという(図4)。

図4 都道府県別導入量。北海道、東北地地域は既に導入量は多いが新規案件がさらに増える見込み出典:JWPA

 これらの新規案件が全て順調に完成していけば、2020年代初頭には1000万kWを突破することが予想されている。しかし、そのブレーキになりそうなのが、系統接続の制限の動きだ。

 風力や太陽光などの変動の大きな再生エネルギーは、同時同量の原則を満たすのが難しく、接続量を増やすと電力システムそのものが大きな被害を受ける可能性を秘めている。そのため、現状では火力発電などを使って再生可能エネルギーの変動分を吸収する仕組みを作っているが、北海道電力や九州電力、東北電力などでは、そのバッファの確保に苦しんでいる状況だ。そのため、風力発電も急速に導入が拡大すれば、接続を制限する動きが広がると見られている。「系統への接続を巡る状況は厳しさを増しており、系統の広域運用の実現など接続可能量の拡大につながる施策の実現が、風力発電導入拡大のための喫緊の課題となっている」と同協会は述べている(図5)。

図5 電力会社別の2015年度末の風力発電推定導入量出典:JWPA


スマートジャパン」は、日本各地の企業・自治体にとって喫緊の課題である電力の有効活用と安定確保に向け、節電・蓄電・発電のための製品検討や導入に役立つ情報を提供します。企業や自治体の総務部、システム部、店舗運営者、小規模工場経営者などの方々に向けて、電力管理や省電力化を実現する製品情報、導入事例、関連ニュースをお届けするほか、製品カタログや利用ガイドなども掲載していく予定です。 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/