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住宅用FITの終了を見越したリフォーム商品、鍵は「走る蓄電池」 (陰山...

住宅用FITの終了を見越したリフォーム商品、鍵は「走る蓄電池」 (陰山遼将,[スマートジャパン])

 積水化学工業 住宅カンパニーは2016年6月23日、リフォーム事業の新商品として、太陽光発電システム(PV)、電気自動車(EV)およびプラグインハイブリッド(PHEV)が電力連携する「V to Heimリフォーム」(以下、V2Hリフォーム)を同年7月より発売すると発表した(図1)。同社が建築したPV搭載住宅のユーザー向けに販売する。

 同社はこれまで新築住宅分野でPVと蓄電池、HEMSをセットにして「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を実現できる「スマートパワー・ステーション」シリーズ、EVと住宅の電力連携を可能にした「V to Heim」シリーズなどを展開してきた。2015年7月からは既設住宅も対象に、エネルギーの自給自足に貢献するPVや蓄電池などのエネルギー関連製品を提供を進めている。

 今回発表したV2Hリフォームは積水化学工業が建築したPV住宅に対し、EV用パワーコンディショナーを搭載することで、住宅を系統連系が可能な「Vehicle to Home」に改修するリフォーム商品。一般的にEVやPHEVに搭載されている蓄電池は、住宅用の定置型蓄電池の数倍の蓄電容量を持っている。これに着目し、自宅に駐車している際にはその大容量の蓄電池を、住宅用の電源として有効活用するというのがV2Hリフォームのコンセプトである。これによりPVによる電力、電力会社の電力に続き、EVやPHEVからの電力を第3の電源として組み合わせることを可能にし、住宅全体でエネルギーを最適に利用できるようにする(図2)。

 複数の電源を持つことでさまざまな電力の使い方が可能になる。V2Hリフォームでは3つの運転モードを用意する。1つ目が日中の日照時間帯はPVで発電する電力を、夜間は日照時間内にPVの余剰電力をためたEV・PHEVの電力を使い、足りない分を電力会社からの電力で補う「グリーンモード」。2つ目が昼間は大容量のPV電力で生活して余った電力は売電し、朝晩はEV・PEHVに蓄電した料金が安い夜間電力することで、光熱費を抑える「エコノミーモード」である

 3つ目が停電時にEV・PHEVやPVの電力を住宅で使用する「非常運転モード」だ。PVやPHEVから出力最大6000W(ワット)まで利用できるため、エアコンや照明、IH調理器具など使いほぼ日常通りの生活をすることが可能だ。

住宅用FIT終了後を見据える

 積水化学工業ではこれまでに累計16万棟を超えるPV住宅を建設してきた。その平均PV容量は約4.8kW(キロワット)で、年間発電電力量は約5000kWh(キロワット時)。そのうち約1700kWhの電力は自家消費用に、残りの約3300kWhは売電用の電力として利用されているという。

 今回のV2Hリフォームの発売にあたり、ポイントとなるのは現在売電されている約3300kWhの電力である。2019年ごろから再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)による家庭用太陽光の買取が終了する住宅が増え始めるからだ。売電が

できなくなれば多くの余剰電力の発生が予想される。

 V2Hリフォームはこの余剰電力を、EVやPHEVを組み合わせて有効活用することを狙った商品だ。積水化学工業では2030年のEV・PEHVの普及率を20%とした場合、同社の建築したPV住宅のうち約5〜6万棟のユーザーがEV・PEHVを保有していると想定している。こうした家庭がFIT終了後も余剰電力をムダにせず、経済的なメリットを受けられるよう新商品もV2Hリフォームを用意した。

 当面は既に同社PV搭載住宅のユーザーでEV・PHEVを所有している顧客の他、今後EV・PEHVへの買い替えを予定している顧客を対象に提案を進める。初年度は100件の受注を目指す方針だ。


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