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世界初の「電気道路」がスウェーデンで開設 (石田雅也,[スマートジャパ...

世界初の「電気道路」がスウェーデンで開設 (石田雅也,[スマートジャパン])

 世界で初めての「電気道路(Electric Road)」がスウェーデン中部のイェヴレ市で6月22日から利用できるようになった。片側2車線の公道のうち外側の1車線の上部に、電力を供給する架線が2キロメートルの長さで伸びている(図1)。

 架線から電力を受けられるのは専用のハイブリッド電気トラックである。スウェーデンの大手自動車メーカーであるスカニア(Scania)が開発した大型の電気トラックで、運転席の上部に格納したパンタグラフを伸ばして架線から電力を受け取る仕組みだ(図2)。電力関連の技術はドイツのシーメンス(Siemens)が開発した。


 パンタグラフが架線から外れると、トラックは蓄電池に充電した電力を使いながら通常のエンジンを併用して走ることができる。充電容量が5kWh(キロワット時)のリチウムイオン電池を使って最長3キロメートルの走行が可能だ。トラックの排気量は9リットルで、360馬力を発揮する。車両の総重量は9トンある(図3)。

無線で充電できる電気バスも開発

 「電気道路」はスウェーデン政府と民間企業が共同で出資して設置した。投資額は1億2500万スウェーデンクローネ(SKE)で、日本円に換算すると約15億円になる(1SKE=約12円で換算)。スウェーデン政府は2030年までに化石燃料で走る自動車を削減する計画を進めていて、その一環で「電気道路」のプロジェクトにも公的資金を投入した。

 スウェーデンでは再生可能エネルギーによる電力の割合が50%を超えている。ハイブリッド電気トラックを走らせると、CO2(二酸化炭素)の排出量を最大90%削減できる見込みだ。エネルギーの消費量はガソリン車やディーゼルエンジン車と比べて50%以上も少なくて済み、燃費の点でも有利になる。

 ハイブリッド電気トラックを開発したスカニアは、無線(ワイヤレス)で充電できるハイブリッド電気バスも開発済みだ。道路の下に埋設した充電器から、バスの床下に装着した受電装置まで電力を送ることができる(図4)。受電した電力をバスの屋根に搭載した蓄電池に充電しながら走る。すでにテストを完了して、まもなくスウェーデン南部のセーデルテリエ市で運行を開始する予定だ。


スマートジャパン」は、日本各地の企業・自治体にとって喫緊の課題である電力の有効活用と安定確保に向け、節電・蓄電・発電のための製品検討や導入に役立つ情報を提供します。企業や自治体の総務部、システム部、店舗運営者、小規模工場経営者などの方々に向けて、電力管理や省電力化を実現する製品情報、導入事例、関連ニュースをお届けするほか、製品カタログや利用ガイドなども掲載していく予定です。 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/