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ボッシュが欧州発の緊急通報サービス「eCall」を日本向けに提供、20...

2016/11/1 IT media

ボッシュが欧州発の緊急通報サービス「eCall」を日本向けに提供、2016年末から (齊藤由希,[MONOist])

 Robert Boschの日本法人であるボッシュは2016年6月8日、東京都内で開いた記者会見の中で、2016年末から日本で緊急通報システム「eCall」の提供を開始すると発表した。eCallは、事故の衝撃でエアバッグが展開すると自動的にコールセンターに通報し、消防が迅速に救助を行えるようにするもの。新車装着用の機能として自動車メーカーに納入するとともに、通報を受け付けるコールセンターを日本に新設してeCallに対応したサービス体制を整える。また、車両を問わず後付け可能なeCallアダプターの投入も計画している。

eCallとは

 eCallは、事故発生後ドライバーが自ら通報できない場合などに備えて、エアバッグが展開すると同時に自動でコールセンターと接続する新車装着用の無償サービスだ。車両に搭載したセンサーがエアバッグの展開を検知すると、車載通信機が現在地や時刻、進行方向をコールセンターに送信するとともに、ドライバーがコールセンターと通話できるように接続する。コールセンターはドライバーの状態を確認しつつ最寄りの警察や消防に事故現場の情報を通報し、速やかに出動できるようにする。

 eCallによって、救急隊員が事故現場に駆け付けるまでの時間が郊外で50%、都市部で40%短縮できると見込まれている。こうしたメリットを踏まえ、欧州では新車のeCall搭載が2018年から義務化される予定だ。

 Robert Boschは、車両に搭載するeCallシステムだけでなく、事故発生時に対応するコールセンターも自動車メーカーに提供し、41カ国で運営している。同社のコールセンターは、メーカーや車種に関係なく担当エリアで起きた事故の通報を受け付ける。コールセンターのスタッフは多言語に対応し、事故にあったドライバーが母国語で事情を説明できるようにしている。



eCallによって事故発生後の迅速な救助が可能になる (クリックして拡大) 出典:ボッシュ

日本でeCallスタート、“後付けタイプ”も投入予定



後付け可能なeCallも提案していく (クリックして拡大) 出典:ボッシュ

 ボッシュは日本にもコールセンターを設け、2016年末からeCallを展開する。車両に搭載するシステムは新車装着用として自動車メーカーに納入するが、メーカーや車種を問わない後付けタイプの販売も計画している。

 後付け用eCallは、加速度センサーと組み込みのアルゴリズムを搭載した専用のアダプターと、スマートフォンのアプリで構成する。アプリをダウンロードしたスマートフォンとシガーソケットに差し込んだアダプターをBluetoothで連携させておくと、事故に相当する衝撃を検知した場合に新車装着用のeCallと同様にコールセンターに接続するというものだ。

 「世界初」(同社)の後付け用eCallとして、「CES2016」で披露した。「シガーソケットとスマートフォンさえあれば、どんなクルマでもeCallが使える。安全面でのレトロフィットが必要だ」(ボッシュ カーマルチメディア部門 部門長の水野敬氏)。

日本の緊急通報サービス「ヘルプネット」は



ヘルプネットが起動した様子 (クリックして拡大)

 日本では既に、日本緊急通報サービスが「ヘルプネット」としてeCallと同様の緊急通報サービスを展開している。エアバッグ展開時だけでなく車載情報機器の画面からもコールセンターに接続することができ、事故以外にも同乗者の急病や犯罪などの緊急事態でも通報を受け付ける。利用するには事前に入会手続きが必要だ。

 ヘルプネットは日系自動車メーカーの国内向けテレマティクスサービスの一部として提供されている。トヨタ自動車は「T-Connect」、レクサスブランドでは「G-Link」、ホンダは「インターナビ」としてテレマティクスサービスを展開している。マツダと富士重工業は「G-BOOK ALPHA」でヘルプネットに対応している。

 しかし、ヘルプネットは十分に普及しているとはいえない。自動車メーカーのテレマティクスサービスを利用するには対応した車載情報機器を購入する必要があるためだ。また、日産自動車の「CARWINGS」は過去に一部車種で対応実績があるものの、現在はヘルプネットの利用に対応していない。三菱自動車やダイハツ工業、スズキもヘルプネットを利用可能な車載情報機器は設定していない。

 日本で緊急通報サービスを浸透させていくためには、自動車メーカー独自のテレマティクスサービスに頼らない方式も重要な役割を果たしそうだ。


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