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プロトラブズの日本法人、2色成形やステンレス加工、3Dプリンティングの...

2016/11/1 IT media

プロトラブズの日本法人、2色成形やステンレス加工、3Dプリンティングのサービスを新たに開始 (小林由美,[MONOist])

 プロトラブズは2016年10月11日、日本国内における事業拡大に関して記者発表を開催した。同社は米国に本社を置く、試作・小ロット部品製作を専門とする企業で、Web上での自動見積もりおよび発注サービスを展開する。同社日本法人では拡張移転を実施し、今後は幾つかの新サービスを開始する。

 同社日本法人は2012〜2016年まで神奈川県大和市を拠点としていたが、2016年8月に神奈川県座間市へ移転。敷地面積は従来の3000m2から9000m2と約3倍拡大した。総従業員数は83人。2009年、日本法人の操業開始時は10人ほどだった。なお、工場内で部品製作に直接あたる人員は自動化を徹底することで少なくし、ソフトウェアのオペレーション(デジタルデータ準備・処理)などに割いているという。

 新拠点には、CNCマシニングセンタを32台(旧拠点の所有数に+8台)、CNC旋盤が3台(旧拠点の所有数に+1台)、射出成型機11台(55〜350t)を備える。2016年12月末を想定する製造能力は、射出成形が年産1500型以上(従来比で50%増)、切削加工が年産4万5000点以上(従来比で50%増)を見積もる。なお、顧客数については2016年9月末現在で2200社以上ということだ。2017年以降はISO9001、14001、27000を取得する。

 新サービスとしては、まず2016年10月中を目標に2色成形サービスを提供開始する。軟質・硬質の材料が入り混じった成形品が一体で製作可能となる。同年12月までには、鉄やステンレスの加工に新たに対応する。

 2017年以降には3Dプリンティングのサービスを日本で開始する。同サービスで提供可能な手法は粉末焼結積層(SLS)、光造形(SL)、ダイレクトメタル焼結(DMLS)の3つとなる。同社顧客の3Dプリンティングの利用率が高く、リクエストも多かったことを受け、欧米拠点で先行して提供開始していた。同社は2013年4月にFineLine Prototyping、2015年9月にAlphaformを買収している。また同社は米HPが開発中の3Dプリンタ「HP Jet Fusion 3D Printer」のテスト利用に携わるパートナーの1社でもある。米国拠点で同装置を1台導入する予定があるという。

「日本はアジアのイノベーションハブであり、重要な拠点である。自動車、エレクトロニクスといった製造業界のグローバル企業が本拠を置いている。当社日本拠点への投資は今後も積極的かつ継続的に実施する」(米プロトラブズ CEO ヴィクトリア・M・ホルト氏)。

経済不況化でもビジネスが伸びたのは?

 リーマン・ショックによる経済不況が始まった2008年以降、製造業は逆境に立たされた。プロトラブズもそんな製造業の中の1企業だが、経済的に厳しい状況下でも着々とビジネスを伸ばしてきた。ホルト氏がCEOに就任した2014年当時、従業員数は750人、年間の売り上げが1億6500万ドルほどだった。それが2015年12月末で、従業員数は約1500人、年間売り上げは3億ドルに迫っている。

 創業当初はスタートアップや小規模な企業を顧客として想定していたものの、現在はロッキード・マーティン、ジョンソン・エンド・ジョンソン、GEといった大手企業向けの売り上げが多くを占めているという。

 同社がここまでビジネスを伸ばしてこられた要因として、ホルト氏は「製造業にユニークな価値を提供できたこと。新しいソリューションで、(業界が)長い間解決できなかった問題を解決してきたこと」を挙げた。

 従来の部品加工業にとって、カスタムパーツ製作や小ロット生産、行く末が見えず不確実要素の多い案件の受注はリスキーといえた。プロトラブズでは、ICTによる統合システムで、見積もりから設計、解析、製造制御、CRM、マーケティング、製造管理など、業務全体を一元化してコントロールすることで、そのようなニーズに特化して対応してきた。「『デジタルデータが完全につながること』が大事であり、一部だけではボトルネックができてしまう」(プロトラブズ(日本法人) 社長 トーマス・パン氏)。

 プロトラブズの社風は自由闊達であり、多様性を重視し、革新に前向きに取り組める人材を積極的に採用してきたということだ。

 「従来型の製造業も、GoogleなどIT先進企業が得意とするようなイノベーションに挑むべき」(ホルト氏)。

 そんな同社ではあるが、「製造業からの認知度のさらなる拡大が課題」(ホルト氏)であるという。「世界の製造業全体の中では、ごく一部の企業に利用してもらっているにすぎない。大手企業での採用も増えてはいるが、企業の中の1部門などで活用されるケースが多い。今後は、戦略的なマーケティングと営業で、インターネットPRなども駆使し、企業のリーダーにもっと広く認知してもらえるように活動していく。3D CADベンダーとの協業も検討している」とホルト氏は語った。


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