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ソーラー充電が可能な「プリウスPHV」、太陽光でどこまで走るか (陰山...

ソーラー充電が可能な「プリウスPHV」、太陽光でどこまで走るか (陰山遼将,[スマートジャパン])

 トヨタ自動車(以下、トヨタ)は「スマートコミュニティJapan 2016」(2016年6月15〜17日、東京ビッグサイト)で、新型「プリウスPHV」を日本初展示した(図1)。先代モデルよりEV走行距離を2倍以上に伸ばした他、太陽光パネルを搭載するなど、さまざまな先進技術を搭載している。2016年秋から日欧米で販売する。

 新型プリウスPHVは2015年12月発売の4代目「プリウス」をベースに、外観デザインも刷新。搭載するリチウムイオン電池パックの容量は8.8kWh(キロワット時)で、これは現行のプリウスPHVの2倍である。こうした改良により、エンジンを使わずにモーターと蓄電池の電力だけで走行するEV走行距離は、現行モデルの26.4km(キロメートル)から60km程度と大幅に伸びる予定だ(図2)。

 なお、エンジンを併用するハイブリッド燃費は37km/lである。また、EV走行時の最高速度も従来の時速100kmから135kmにまで向上した。

 プリウスPHVは200V(ボルト)/16A(アンペア)、100V/6Aの家庭用電源を利用して充電を行うことができる。さらに今回の新型モデルからは、日本仕様車のみCHAdeMO規格の急速充電にも対応した。急速充電時を利用する場合、約20分でバッテリー容量の80%まで充電できるという。

 外部への給電も可能だ。家庭用と同じAC100Vのコンセントを車内2カ所に備えており、同時に最大1500W(ワット)まで家電などを利用できる。「ヴィークルパワーコネクター」を車両の充電口にさし込むと、AC100V電源として利用可能だ。

今回は駆動用電力として利用可能に

 新型プリウスPHVの大きな特徴がルーフ部分に搭載されている最大出力180Wの太陽光パネルだ。過去のプリウスなどにも「ソーラールーフ」のオプションは用意されていたが、これは太陽光パネルで発電し、その電力により車内の換気を行うためのものだった。しかし今回の新型プリウスPHVは、発電した電力をモーターを駆動用の電力として利用できる。トヨタによればこの駆動に利用する「ソーラー充電システム」を量産車に搭載するのは世界初だという(図3)。

 太陽光パネルの搭載にあたり、新型プリウスPHVにはリチウムイオン電池パックに加え、12Vのニッケル水素バッテリー(ソーラーバッテリー)を搭載している。駐車中は太陽光で発電した電力を一度12Vのニッケル水素バッテリーに蓄電してから、まとめて駆動用バッテリーを充電していく。走行中は太陽光の電力で駆動用バッテリーの電力消費を補いながら、EV走行距離や燃費の向上に貢献する。これらの電力供給のマネジメントを、DC/DCコンバータを内蔵した「ソーラーECU」が担う(図4)。

 太陽光パネルの種類やソーラー充電システムのより詳しい機能・スペックについては、2016年秋の販売開始まで現時点で非公開となっている。ただ、新たに搭載した太陽光パネルで発電し、ニッケル水素バッテリーに蓄電した電力のみで走行すると仮定すると、「天気の良い日に車両を1日外で充電しておいた場合、走行可能距離は最大でも約5kmほど。平均して2.7kmを見込んでいる」(トヨタ自動車)という。「太陽光だけで走れる」というわけではなく補助という位置付けだが、災害時などに役立つというメリットもある。

 なお、このソーラー充電システムを搭載するのは、日本と欧州仕様車のみ。価格などの詳細は2016年秋の販売時に発表する予定だ。


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