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「タント」ベースだけど名前は「ムーヴ キャンバス」、狙うは実家暮らしの...

2016/11/1 IT media

「タント」ベースだけど名前は「ムーヴ キャンバス」、狙うは実家暮らしの女性 (齊藤由希,[MONOist])

「タント」ベースだが「ムーヴ」の派生モデルとして展開する新型軽自動車「ムーヴ キャンバス」(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業

 ダイハツ工業は2016年9月7日、新型軽自動車「ムーヴ キャンバス」を発売すると発表した。ベースはスーパーハイトワゴンタイプ(車両全高が1700mm以上)の軽自動車「タント」だが、全高を1655mmに抑え、軽自動車「ムーヴ」の派生モデルとして展開する。実家暮らしで親とクルマを共同で使う女性をターゲットとし、親が望む機能性と、見た目を重視する女性に好まれるデザインを両立することを目指した。JC08モード燃費は2WDモデルが28.6km/l(リットル)で、エコカー免税の対象となる。

 メーカー希望小売価格は118万8000円から。月販目標は5000台。ターボエンジンの設定はなく、NA(自然吸気)エンジンのみ。ムーヴ派生モデルの「ムーヴ コンテ」は存続する。

見た目買いする女性に向けて

 ムーヴ キャンバスは、女性の晩婚化や親との同居が増えるといった傾向に着目して開発した。「独身女性が親と同居して、クルマを親子で共有する例が増えている。平日は親が買い物などで使い、休日は娘が外出に使う形が多い。デザインを重視する女性と、機能性を優先する親世代の両方に応えるため、タントやムーヴとは違う路線のモデルにした」(ダイハツ工業 製品企画部 主査の大澤秀彰氏)。

「タント」「ムーヴ」「ムーヴ キャンバス」の諸元値の比較(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業

 デザインや意匠にこだわる女性に向けて、「おおらかでシンプルな丸みのあるシルエットとこだわりのある内外装デザイン」(大澤氏)を目指した。「デザインを気に入ってクルマを買う人は、自分の感覚に合ったクルマが発売されるとすぐに乗り替える傾向にある。ムーヴやタントのユーザー家族も、娘と一緒に見に来てムーヴ キャンバスを検討の候補に入れてくれるのではないかと考えている」(同氏)。

通常グレードのエクステリア(左)と2トーンカラー(右)の2種類を設定している(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業
通常グレードのエクステリア(左)と2トーンカラー(右)の2種類を設定している(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業

 エクステリアは、ベースグレードで水平基調ののびやかなロングキャビンとしているが、加飾を充実させた「メイクアップグレード」ではクロームメッキで上質感を演出して愛着を感じてもらうことを目指した。フロントとリアのランプは、丸モチーフを採用して愛らしいデザインとしている。さらに、ボディーカラーには、個性を求めるユーザーをターゲットに、ベースカラーで上下を挟んだ2トーンカラーを設定した。

インストゥルメントパネル(左)と室内(右)(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業
インストゥルメントパネル(左)と室内(右)(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業

機能性がほしい親世代と共用できるクルマに

全高1700mm以下の軽自動車では初となる両側スライドドアの採用(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業

 また、ムーヴ キャンバスは親子で共有する使い方を踏まえて、女性が“見た目買い”するデザインと、親から子まで幅広い世代に対応する機能性の両方に力を入れた。

 機能面で特徴とするのは、全高1700mm以下の軽自動車では初となる両側スライドドアの採用だ。全高1700mm以下ではスライドドアの設定自体が珍しいという。「過去に他社で片側のみスライドドアを採用したモデルがあったが、現行では設定がなくなってしまった。片側のみという制約やコスト増、スライドドアの利便性が認知されていなかった当時の状況が要因ではないかと分析している。スライドドアの便利さが浸透してきたので、全高1700mm以下のクラスであっても需要はあるだろう」(大澤氏)。

 この他にも、後部座席のシート下収納「置きラクボックス」とスライドドアの組み合わせにより、荷物の積み込み動作を少なくするレイアウトとした。ベース車のタントは子育て層に向けて機能性を追求したのに対し、ムーヴ キャンバスは「子育て中のユーザー以外の使い勝手に重点を置いた」(同氏)。

置きラクボックス(左)とスライドドアの組み合わせにより、荷物の積み込み動作が少ないレイアウトとした(右)(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業
置きラクボックス(左)とスライドドアの組み合わせにより、荷物の積み込み動作が少ないレイアウトとした(右)(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業


軽自動車初となるステアリング連動ヘッドランプの動作イメージ(クリックして拡大) 出典:ダイハツ工業

 ダイハツ工業で女性向けのデザインの軽自動車としては「ミラ ココア」があるが、「ミラ ココアは、スライドドアがなく、荷物の積み込みやすさもムーヴ キャンバスには劣るため、親世代が求める機能性に対応しきれていない」(同氏)という。

 安全装備として、ステアリング連動ヘッドランプを軽自動車として初めて採用した他、ダイハツ工業として初めて、サラウンドビュー機能「パノラマモニター」をメーカーオプションに設定し、幅広い世代の使いやすさに応える。

街乗りを想定、だからターボは設定しない

 ムーヴやタントにはターボエンジンの設定があるが、ムーヴ キャンバスはNAエンジンのみとした。「街乗りが主体と想定している」(大澤氏)ためだ。

 車両の基本性能も街乗りでの扱いやすさを目指した。アンダーボディーの補強やステアリングの制御、ブレーキの効きなど、街乗りで安心感が持てる運動性能を実現したとしている。

 また、他のラインアップと同様に、燃費改善技術「e:Sテクノロジー」を搭載した。フロントフェンダーやバックドア、スライドレールカバーを樹脂化した他、高着火スパークプラグや低フリクションエンジンオイルなどを採用。衝突回避支援システム「スマートアシストII」も搭載する。


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