緊急作業には十分注意を!!

緊急作業には十分注意を!!

使わなくなった旧式の装置を使用したことで、不良を発生させてしまったという事例を前回紹介しました。

どうして既に使わなくなった手動の装置を使ったのか?

これも単純な理由です。
生産量がアップしてオイルを含浸する工程の能力が不足したからです。
つまり自動の含浸装置の処理能力が不足したからです。

生産能力が不足となったときに他に装置があれば当然それを使うことになります。
そうしなければ顧客と約束した納期を守れない事態となるのですから。

問題は、普段使っているのが自動機で、緊急避難で使ったのが手動機だったということ。
自動機に慣れてしまっている作業者が、手動機を同じような感覚で扱ったとしても不思議ではないですね。

当然作業のマニュアルはあるでしょうが、作業者がそれを確認するとは限りません。
班長がいっしょに確認しながら作業をする必要があります。
こうしたイレギュラーな作業を作業者だけにやらせることは避けなくてはいけません。

さらに言えば、こうした手動機の場合、特に作業者が入れ替わる可能性の高い中国では、ポカ除け機能を付けておくことが必須と言えます。

スイッチを押さないと時間が作動しないとか、スイッチを押すと緑色のランプが点灯するなど何らかポカ除けの仕組みが必要です。
一番いいのは、セットしたら自動的に装置がオンになるようにすることだ。

この事例の教訓としては、イレギュラーな作業を作業者だけにやらせるのは危険。
作業者の入れ替わる中国では、装置にポカ除け機能を付けることが必須ということです。

この自動機はワークをセットすると自動的にスイッチがオンする仕組みにしています。
それ故に自動機と呼んでいる訳です。

なぜ自動機にしたかといえば、以前も手動機でスイッチの押し忘れによるオイル含浸不良を出したことがあり、その対策として自動機化したのです。

今回、使った手動機は、もう使うことがないと思って対策をしていなかった装置だったのです。

 

出典:中国工場での品質管理・品質改善


KPIマネジメント代表・チーフコンサルタント◎電機系メーカーにて技術部門、資材部門を経て香港・中国に駐在。現地においては、購入部材の品質管理責任者として購入部材仕入先品質指導及び品質改善指導。延べ100社に及ぶ仕入先工場の品質改善指導に奔走 ◎東京都/千葉県商工会連合会専門エキスパート(品質管理、製造業指導) GCS認定コーチ◎日本生産性本部経営アカデミー講師 名古屋外国語大学非常勤講師 セミナー/企業研修講師多数◎中国工場コンサルティング実績 日系中国工場品質改善及び管理体制の見直し(広東省)、中国企業品質管理体制の構築(福建省1社)、中国企業労務人事管理監査対応指導(パートナーコンサルタントと共同で実施:広東省1社)、米国D社の労務人事監査指摘事項への対応を指導、中国工場品質管理体制の構築(広東、大連など2社)、中国工場運営管理支援(広東1社)、外観検査の精度向上指導(広東1社)、中国生産委託先工場監査代行(広東1社) 国内工場管理の見直し及び製品コストダウン、外灯製造会社の5S指導、金属加工会社の品質管理・改善、生産性向上指導(1社)、金属加工会社の組織再構築、経営改革指導(1社)、板金塗装会社の5S指導(1社)、環境関連企業の新工場立ち上げ支援(1社)◎製造業向け社員研修実績 中国人管理者教育(広東、大連、厦門など3社)、コーチング研修(2社)、来日した中国企業スタッフ研修、中国赴任前研修(パソナ様)、若手社員向け中国工場の問題点と対処法(和歌山県工業技術センター様)、中国工場品質管理講座&異文化コミュニケーション(富士通テレコムネットワークス様)、仕入先様品質管理勉強会 テーマ:中国工場での品質管理の進め方(株式会社オートバックスセブン様)、中国への生産委託に伴う工程/品質管理のポイント(N社様、I社様) ◎著書 こうすれば失敗しない!中国工場の品質改善<虎の巻>(日刊工業新聞社)、雑誌「標準化と品質管理」2012年8月号特集記事執筆(日本規格協会)、外観検査の不良見逃し・ばらつき低減(技術情報協会・共同執筆)、通信教育講座「外観目視検査の進め方と留意点」担当講師(テキスト執筆、添削指導) ◎KPIマネジメント http://www.prestoimprove.com/index.html ブログ「中国工場での品質管理・品質改善」https://ameblo.jp/prestoimprove/