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パワーMOSFETのデータシートの説明

パワーMOSFETのデータシートの説明

パワーMOSFETのデータシートには、アプリケーションにおけるMOSFETの選択と使用のために重要な、特性、定格、性能の詳細が記載されています。

各アプリケーションは特有のものですが、MOSFETのデータシートにより初期の電力損失計算にとって有用な情報を得ることができ、またデバイス性能のスナップショットも見ることができます。

このビデオでは、パワーMOSFETのデータシートの概要と、特定のデータシート・パラメータと定義を分かりやすく説明しています。

 

 

パワーMOSFETには、対象アプリケーションのニーズに適したさまざまなサイズ、構成、パッケージがあります。

パワーMOSFETは、業界最小パッケージのXLLGA-3からD2PAK、およびTO-220パッケージまで、幅広いサイズで提供されます。

MOSFETの電圧定格範囲は12V~200V超に及びます。

 

パワーMOSFETは携帯電話やタブレットなどのポータブル機器で使用されます。

また、コンピュータ、サーバ、電動工具、自動車にも使用されます。

具体的なアプリケーションの性能要件を満たす適切なMOSFETを選択することがお客様にとって最も重要です。

 

パワーMOSFETのどのデータシートも、同じ形式の主要セクションとデバイス・パラメータが記載されており、最大動作限界、代表的な性能特性、およびプリント回路基板レイアウト作成のためのパッケージ情報の詳細を知ることができます。

これらのセクションには、最大定格表、電気的特性表、性能曲線、およびパッケージ情報が含まれており、以下でそれぞれについて詳述します。

データシートの最初のページは、主な特長と対象アプリケーションを含むMOSFETの概要を提供します。

 

このフロント・ページには、最大定格表、熱特性、デバイス記号、ピン接続、オン抵抗仕様も含まれています。

また、MOSFETデータシートの2番目のセクションには、デバイスの電気的特性が記載されています。

各パラメータは特定のテスト条件に基づいて定義され、デバイスの標準値、最小値、最大値が示されています。

 

データシートの3番目のセクションには、電圧、電流、温度など複数の条件におけるデバイス特性を示す標準的な性能曲線のセットが記載されています。

パワーMOSFETは幅広い用途に使用されており、設計工程やMOSFET選択工程におけるお客様の支援のために、性能曲線により追加の詳細情報を提供しています。

データシートの最後のセクションでは、パッケージ寸法、パッケージ・マーキング、および推奨PCBフットプリントなどの詳細なパッケージ情報を提供します。

 

あるアプリケーションに適したデバイスを選択するには、まず最大定格表の検討から始めてください。

最大定格表では、最大ドレイン-ソース間電圧とゲート-ソース間電圧が規定されています。

これはあるパワーMOSFETが設計に適しているかどうかを判断する際に、最初に確認する値です。

 

例えば、スマートフォン・アプリケーションでは定格ドレイン-ソース電圧が20VのMOSFETで対応できますが、車載アプリケーションでは定格ドレイン-ソース電圧が60VのMOSFETが必要になる場合があります。

最大接合部温度はMOSFETの信頼性にとって重要であり、それを超えてはなりません。

あるアプリケーションで使用するMOSFETを決定する際の第2ステップです。

 

例えば、車載アプリケーションの電子部品は、コンピュータ・アプリケーションの場合よりも広範な温度に晒されます。

このため、車載アプリケーションで求められる標準最大動作温度は175℃です。

ここに示すパワーMOSFET例は、車載アプリケーション向けのものではありません。

 

パワーMOSFETのどのデータシートにも、お客様にデバイス熱性能の基準点を提供するために、いくつかの熱抵抗値が記載されています。

パワーMOSFETのデータシートに記載されている最も一般的な2つの熱抵抗は、接合部-周囲間および接合部-ケース間熱抵抗です。

接合部-ケース間熱抵抗は、「半導体デバイスの動作部からチップ実装領域に最も近いパッケージ外表面までの熱抵抗経路」と定義されます。

 

例えば、SO8-FLデバイスの接合部-ケース間熱抵抗は、ダイとパッケージ底面上のドレイン・パッド間の熱経路を指します。

熱抵抗はデバイスごとに異なると認識することが大切です。

熱抵抗はMOSFETが実装されている環境によって変化します。

 

環境要因には、他のコンポーネントとの近さ、PCBの銅含有量、自然対流、ファンの有無、および基板が密閉されているか開放空気中にあるかなどが含まれます。

この例では、同じデバイスが3つの異なる基板に実装され、3種類の熱抵抗値を示しています。

熱的特性表に記載されている熱抵抗値は、最大定格表に規定される消費電力と連続ドレイン電流の計算に使用されます。

 

このサンプル・デバイスの場合、接合部-周囲間ドレイン電流は、25℃の一定周囲温度で規定され、接合部-ケース間ドレイン電流は25℃の一定ケース温度で規定されます。

ただし、最終アプリケーションでは、温度が一定に維持されることはないので、デバイスの許容電流量はこれよりも少なくなります。

このビデオの最後の部分では、電気的特性表とデバイスの性能曲線について言及しています。

 

電気的特性表はデバイス性能のスナップショットを提供します。

各パワーMOSFETは、特定のデバイス・パラメータ・セットを決定するように特性が評価されます。

電気的特性表には、設計者が特定のアプリケーションについて、デバイスの選択、電力損失の計算、性能の見積もりを行うための有用な情報が提供されます。

 

各パラメータは特定のテスト条件に対応してリストされており、最小値、標準値、最大値が定義されます。

これらのパラメータの多くは、電圧条件または電流条件が変われば大幅に変化します。

性能曲線は、温度、電圧、電流などの幅広いテスト条件におけるデバイス・パラメータをグラフで表示したものです。

 

多くの場合、設計者は様々なテスト条件に対するパラメータの標準値を知る必要があります。

このため、MOSFETのどのデータシートにもいくつかの曲線が含まれます。

データシートに記載されている曲線は代表的なデバイスに対するものです。

 

デバイス間で多少の偏差が生じます。

各アプリケーションは独自のものですが、MOSFETのデータシートには選択プロセスおよび設計プロセスを支援するための有用な情報が記載されています。

パワーMOSFETのデータシートに記載された情報の使い方を理解すれば、選択および設計プロセスを円滑に進めるのに役立ちます。

 

出典:『パワーMOSFETのデータシートの説明』オン・セミコンダクター


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