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《からくり改善®くふう展2016》作品紹介:トヨタ「かしめ増し娘。」

《からくり改善®くふう展2016》作品紹介:トヨタ「かしめ増し娘。」

「からくり改善®くふう展2016」の出品作品をご紹介します。
※実際にものづくりニュース編集部が現地に行って、お話&動画を撮らせていただいたものです。取材にご協力いただきました出展者の皆さま、あらためて御礼申し上げます。

さて、
今回はトヨタ自動車による 

「かしめ増し娘。」

です。
振動工具を使わない手動かしめ機とのことで、一体どんなものなのでしょうか。

困り事/問題点

自動車のフロントグリルにエンブレムを取り付ける際、裏側から菊ワッシャーでかしめて固定をします。

通常、その作業は空圧工具のエアハンマーで行うのですが、エアハンマーはそれ自体が1.7kgと重く、ガンガンと空圧の勢いで叩いてかしめていくので、実はかなりの重労働。しかも86デシベルという騒音も。
特に女性がかしめ作業をすると、すぐに腕が疲れてパンパンになってしまうそうです。

スクリーンショット 2017-04-03 午後4.17.24

そこで、女性でもできるくらいの小さな力でかしめができないかと考えたのが、このかしめ増し娘。です。

スクリーンショット 2017-04-03 午後4.18.48

概要と動作メカニズム

かしめ増し娘。のメカニズムはこう。
フロントグリルを載せる台と、かしめ部、レバー部の3つで構成。

フロントグリルを台に載せて固定し、エンブレムとワッシャーをセット
スクリーンショット 2017-04-03 午後4.19.55

あとはレバーを下げるだけ。
スクリーンショット 2017-04-03 午後4.20.05

レバーが下がると同時にかしめ部も下がり、レバーを下まで押し込んで作業完了。
ガッチリかしめられます。

秘密はトグル機構

かしめはトグル機構(中央のピンクの部品)を採用。
レバーの下げ終わりにカチャッと別方向から力が加わり、最後に下へ押し付ける力を発生させてかしめます。
これによって振動も騒音もなく、さらに圧縮空気も使わないでかしめ作業ができるようになりました。

この機構はテコの原理で使えばすぐに作れるらしいのですが、
それだと機械全体の背が高くなってしまい、
女性には優しくないということで、
トグル機構にしたとのことです。

スクリーンショット 2017-04-03 午後4.21.38

さらに手の挟まれ事故防止の安全機能まで

こうした機構の場合、よく手の挟まれ事故が発生します。
でも、このかしめ増し娘。は、そんな挟まれ事故防止機能付き。

片手だと下がらない
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レバーは両手で同時に下げないと最後まで下りてこない仕組みで、作業員が手を差し出すことができないようになっています。

効果

  • 老若男女でも軽い力でかしめられる
  • 操作ミスによる挟まれも防止
  • 騒音と振動ゼロ
  • エアーハンマー不要。エアーも要らない

※「からくり改善®」は、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会の登録商標です。
※2017年は9月28日(木)〜29日(金)にポートメッセ名古屋で開催予定
からくり改善®くふう展 製造現場における「見える化」改善展


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。2016年5月〜「ものづくりニュース by aperza」編集長兼任。 趣味は釣りとダーツ